2024/2/25に発売された「現実主義勇者の王国再建記」の最新19巻の個人的な感想を書いていこうと思います。
待ちに待った最新刊。面白くてこの記事を投稿するまでに、2回も読んでしまいました。
ネタばれを含む事がありますので、未読の方はご注意ください。
現実主義勇者の王国再建記(19) (オーバーラップ文庫) [ どぜう丸 ]価格:770円 (2024/3/28 23:45時点) 感想(1件) |
王国 対 大虎帝国 決着
ついに始まったハーン大虎帝国とフリードニア王国との、運命の直接対決。
ソーマの策により、今日この日、この一戦で勝ち切らないと、もう二度と海洋同盟に挑む事が出来なくなる状況。
各陣地にて、双方の知将、勇将、猛将がしのぎを削る激戦を繰り広げる。
個人的な見所として、大虎帝国のムツミ・チマと王国のリーシアとの対決が印象深い。
その後に繋がるシーンであるのもそうだが、初めてムツミの戦闘シーンがちゃんと描写されたからです。
ちなみにハシムの戦闘描写もここで初めて出て来ます。以外と強い。
そんな中登場した、英雄フーガ・ハーン。
一人で戦場を蹂躙していきます。
対するは、王国唯一の竜騎士ハル&ルビィ、王国最強 ソーマの第二正妃アイーシャと黒龍 第二側妃ナデンのコンビ。
エルフリーデン王国本陣のソーマに迫るフーガと激突します。
英雄から人へ
戦争の終結。
ソーマに一太刀入れるも首を取るには至らず、ハルバートにより片翼を切り裂かれ取り押さえられたフーガ。
さらに別働隊により、逆進行を受けていた事をソーマから告げられる。
放送によって戦場に映される、海洋同盟の混成軍により包囲されたハーン大虎城。
勝敗が決したところで、ソーマがこの戦争の決着をフーガに言いました。
この戦争でエルフリーデン王国が勝つと、3倍以上も国土がある大虎帝国を管理しなければならなくなる。
そんな余裕はないので、フーガを王にしたまま和睦することがソーマの考えでした。
フーガには、そんな退屈なことは受け入れられず自害しようとします。
周りがそれを止めようとするとき、フーガの妻・ムツミが妊娠していることを、ムツミと戦場で相対したリーシアに告げられます。
英雄からただの父親になったフーガは、素直に負けを認めるのでした。
逆臣クレーエ
王国と大虎帝国の戦争は、王国側の事実的な勝利とし、和睦という形で終了しました。
大陸に平和が訪れていましたが、一部の人間はその平和を享受出来ずにいました。
空軍を率いるクレーエもその一人でした。
自身の幻想に従い、物語の登場人物の一人として命を燃やしたいと思っていたので、この平和を受け入れる事が出来ませんでした。
戦後、フーガに不満を募らす勢力をまとめ上げ反旗を翻しました。
ハーン大虎城が手薄の時に、城を襲いフーガの愛虎ドゥルガに致命傷を与えフーガを追い詰めました。
その結果、フーガは生死不明の行方不明となりました。
大陸再編
フーガの生死とクレーエの謀反を聞いたソーマは、このまま北が不安定な状態だとエルフリーデン王国にも影響が出て来る為、この問題に介入する事を決めました。
クエーレ率いる反乱軍 対 ソーマ率いる王国軍+シューキン達抵抗派の戦闘が始まりました。
いくら英雄フーガを打ち取ったとは言え、ほとんど不意打ちに近いやり方での勝利だったクレーレたちに対し、真正面から全力?(色々と策を巡らし、こちらに有利な状況を作り上げたので議論の余地あり。)で迎え撃ち追い返した王国軍では結果は歴然でした。
圧倒的な戦力でクレーエを打ち取り、ソーマたちはこの内乱を終結させました。
ただ、フーガを失った大虎帝国は分裂必死の状態でとても運営できる状態ではなく、さらにフーガを失った影響は世界各国に響きました。
そこでソーマ主導で二回目の国際会議を開き各国の統治についての話し合いを行いました。
これにて騒乱の時代が終わり、大陸は安定の時代に移っていこうとしていました。
まとめ
とても面白いです。
戦争の結末やクレーエが裏切る事などは、個人的にあまり意外な展開とは感じなかったけど、フーガの死亡(正確には生死不明)となったときは、どこか予想していても驚いたところがあります。
「現実主義勇者の王国再建記」は次の第二十巻で最終巻と作者の方が、おっしゃっていましたが、個人的なわがままを言うと、もっと続きが読みたいです。
特に、フーガの実子であるスイガを育てることになったソーマとユイガの今後の展開が気になります。
英雄の子であり、育ての両親との関係、おそらく兄弟のように育つであろうソーマの子供たちとの関係、時にソーマの実子は旧人類の血を継いでいるがスイガは継いでいないこと。
再編後の大虎王国の王位を継ぐことも、すでに決まっているようなので、これからの展開も気になることが多すぎます。
ただ、世界を二分する戦争が決着してしまったので、どうしても物語的には小規模なものになってしまわざるを得ないとも思えます。
続きが見たい。でも、ここで終わるのがきれいな終わり方なのかもしれない。そんな気持ちです。
気になる方は、ぜひ一度「現実主義勇者の王国再建記」読んで見てはいかがでしょうか。